職業詳細
アニメやゲームといった作品の世界観をつくり出す上で、優れたシナリオやビジュアルとともに欠かせない登場人物の声をあてる仕事が声優だ。キャラクターに声をあてる以外にも、ラジオドラマやナレーション、人形劇や着ぐるみショー、海外作品の日本語吹き替え版など、声の仕事は幅広くある。
アニメーションの声優は、画面を見ながら声を吹き込むのだが、このときには同じシーンを演じる声優と一緒に声を吹き込むことがほとんど。作画が未完成のまま声をあてることも多く、声優の声・演技が作品の展開に影響を与えることもある。新作アニメーションは予算が少ないため、新人にチャンスが回ってくることが多い。
ゲームの声優はアニメーションとは違い、1人ずつ声を吹き込むことが多い。据え置き型ゲームのほか、携帯ゲーム、アーケードゲーム、パチンコなど、声優が必要なゲームの幅は広がっている。予算の幅も広いため、新人が経験を積む機会も多くある。
1つのキャラクターを世に送り出すまでには、原作者やプランナー、ライター、そしてデザイナーなど、多くの人が関わってくる。声質や演技力などに加えて、キャラクターへの愛着、さまざまな人と良好な関係を築いていく人当たりのよさ・マナーなども必要な仕事だ。
キャリアステップと年収イメージ
1~2年目:声優(ジュニア)
在学中に事務所や劇団、芸能事務所などを呼んだ所属オーディションが開催されるので、そこで決まった所属先で所属者向けに用意されたレッスンを積む。もしくは事務所の養成所で預かり所属として正式な所属を目指してレッスンを重ねていく。卒業後にワークショップに進むという方法もあるが、いずれにせよ現場での経験とレッスンの両方を重ねて1人前の演技力を身に付けていく。
アニメの仕事などに携わり、「自分の声で演じるキャラクター」を目にしたとき、「声優になったんだな」という実感を得られることだろう。
年収イメージ : 200万円~300万円前後

3~5年目:声優(ジュニア~ランカー)
3年目まではアニメや洋画、ゲームのギャラは固定されているが、4年目から固定が外れてギャラが上がる。アイドル声優としてちやほやされても、3年を過ぎてギャラが上がった途端に仕事がなくなる人もいる。たくさん仕事をして仕事先の方やマネージャーさんに認められ、実力を付けることが大切になってくる時期だ。
主役級のキャラクターを任されるようになり、専門雑誌などに顔出しする機会も増えてくる。
年収イメージ : 300万円~450万円前後

6~10年目:声優(ランカー)or 講師などの道へ
ランカーとしてキャリアを重ねる中で、いかに知名度を上げていくかが大切になる時期。より高額なギャラがもらえるナレーションの仕事も舞い込むようになる。
また、それまでの知識や経験を買われて、専門学校や養成所の講師として依頼が来ることもある。他にも声優と掛け持ちで、音響監督やプロデューサーになる人もいる。
年収イメージ : 400万円~1000万円前後

11年目以降:声優(ランカー)として独立へ
それまで所属していた事務所を離れ、独立して若い声優を育てる道を選ぶ人もいる。日本語吹き替え版では有名作品の主役級を務めるなど、名前の認知度が上がっていく。