マーベラス協力!短時間でゲームを作り上げるサマーゲームジャム2025を開催!


リード:バンタンゲームアカデミー東京校は株式会社マーベラス(以下、マーベラス)に協力を得て、2025年8月4日、5日の2日間にわたってサマーゲームジャム2025を開催しました。ゲームジャムとは、クリエイターが集まり、短い時間でゲームを完成させるイベントです。このイベントには学内の有志が参加。チーム戦で入賞を目指して競います。今回はこのイベントの様子をレポートします!
完成させるだけでもすごい!?ゲームジャムで何が学べる?

今回のゲームジャムは、マーベラス様に協力を仰いで開催。ご存じ『牧場物語』シリーズ、『ルーンファクトリー』シリーズなどのゲームを開発している企業です。
参加するのは、専攻と在学年が異なる有志の学生。1チーム14人、計10チームが競います。事前に6つのお題が用意され、学生はそれを元に企画を準備。イベント当日、6つのお題から1つがランダムで選ばれ、そのテーマでゲーム制作を開始します。
開催の目的は、ゲーム制作を楽しんでもらうこと。普段の授業では、職種の垣根を越えてゲーム制作に取り組むことが多くないため、チームで作り上げる楽しさを学べて、就職後にもこの経験を生かせるでしょう。
「いったん作り始めると、各職種が作り込みをしたくなるのですが、短い時間で完成を目指すためには、どれだけ引き算ができるかが重要です」
と、松木健太先生は言います。
(小見出し)ちょっと難しいお題?他チームとの差別化が鍵に!?
今回選ばれたお題は「おかわり自由」。学生の反応はさまざまで、困惑したように小さくうなる学生や、動じずにお題を見つめている学生の様子も見られました。

マーベラス開発部長とエンジニア採用企画室長と務める石動太一さんはテーマについて次のように言いました。
「他の5つのお題は抽象的で、いろいろと広げやすそうでした。選ばれたお題は具体性が高いので似たものになりやすく、その点はすこし難しいと思います。だからこそ、他のチームとは全然違うゲームを作り上げるチームがいたらうれしいですね。ですが、ゲームは動くものを作るだけでも難しい。きちんと完成させて、遊べるようになっているだけでも一定の評価はしたいですね」
やはり今回のお題は差別化が鍵になりそうです。そして、ゲームを作り上げることも大切なことなんですね。
さらに石動さんは、
「限られた時間で他職種と協力しながら作ることは集中力と技術力を高められ、クリエイターとしての能力を向上させるいい修業になります。このイベントに参加した学生が、何かを得られることを期待しています」
とエールを送りました。
静かに燃える学生たちの姿に胸が熱くなります!

では、ゲーム制作に取り組む学生の様子を見てみましょう。どのチームもリーダーを中心にホワイトボードを囲みながら、事前に企画を用意していたチームは、実際は一部だったと思います。多くはその場で企画を詰めていました。
どのチームもリーダーを中心にホワイトボードを囲みながら、企画の詳細を決めていきます。いくつかのチームは事前に企画も用意していたようです。
各職種から意見が飛び交い、一瞬たりとも静まり返る様子はありません。

ところが、企画がまとまり、タスク割りと分担ができると、多くの学生が一心不乱にパソコンやタブレットと向き合います。時には手を止めて、チームリーダーや同じ職種の学生と相談し、パソコンをのぞき込みながら、意見やアイデアを出し合っていました。
学生たちはどのように制作を進め、どのような気持ちで臨んでいるのでしょうか。
チーム・シアンはディレクター2名体制。チームリーダーを兼任するプログラマーがテクニカルディレクターとして技術面を、デザイナーのアートディレクターがデザイン面のまとめ役を担います。こちらのチームは事前に2回、チャットツール経由で顔合わせ、メンバーの強みや苦手なこと、企画の構成を行っていました。実はディレクター2名は過去のチーム制作で何度も一緒にゲームを作っていたため、スムーズにチーム体制を築けたと言います。テクニカルディレクターとアートディレクターはそれぞれ、次のように話をしてくれました。

「テクニカルディレクターとして、プログラマーのフォローを行っていますが、『俺が完成させてやる』くらいの気持ちで取り組んでいます。仮にメンバーがタスクをこなせなくても、僕が最後に何とかするので、楽しんで制作に取り組んでほしいですね」
「アートディレクターとして大切なのは、デザイナーたちが迷わず目の前のものをひたすらよくするための環境を用意することだと思っています。そのためには、完成イメージをしっかり共有し、対話をきちんとできるようにしています」
話の通り、2人は他のメンバーが作業を進めるうえでの疑問点に答え、相談に乗り、コミュニケーションをしっかり取りながら進めていました。

チーム・カーマインも事前にしっかりと準備をしていたようです。プランナーで、チームリーダーを務める学生は、
「どのお題になっても大丈夫なように準備をしてきました。事前にタスク分担もしたので、スムーズに取り組むことができました。おおよそは今日中に作り、明日調整を行う段取りです。メンバーが達成感を得られるように頑張ります」
と話し、順調な様子がうかがえました。同じチームのデザイナーで、リーダーを務める学生は次のような意気込みを聞かせてくれました。
「上級生として、事前資料の作成と共有、製作開始後の表現の提案やソフトと使い方などをフォローしています。今回、参加した一番の目的は、プレイした人に楽しんでほしいからです。自分が作ったものが周囲からどのような評価を得られるのかが楽しみです」
他のチーム、職種からも「ゲーム制作を楽しみたい」という声が多く寄せられました。
完成は目の前! 手応えも十分得られたようです

2日目を迎え、制作もいよいよ追い込みです。学生の様子は三者三様。自身のタスクが終了して落ち着いた様子を見せる学生もいれば、頭を抱えながら無言で最後の調整を行う学生もいます

無事完成させたチームからは拍手が起こり、表情からは達成感を得られたことが伝わってきました。
チーム・シトロンのプランナーは、今回のチーム制作について、次のように言いました。
「チーム制作に携わるのは初めてではありませんが、完成まで一緒に迎えたのはこれが初めてです。メンバーはスキルが高い人ばかりで、チームに恵まれたと思っています。どんどんアイデアを出してくれたのでやりやすかったですね。プランナーとして全体を俯瞰しながら進行を進められたことにも手応えを感じました」
チームロータスの2Dデザイナーも充足感を得られたようです。
「1枚絵を仕上げるのと、3Dに起こすことを前提に描くのは技術が異なるので、その点が難しかったです。一人で作業をするよりも、みんなで1つの作品を完成させる方が圧倒的に楽しいです」
学生たちの言葉からは、充実した様子を感じられました。
力作ぞろい!どのチームが入賞したのか!?

全てのチームが製作を終了し、いよいよ試遊です。石動さん、学生、当校のスタッフが実際にゲームをプレイし、評価を行います。入賞できるのは3チーム。1位、2位は学生と当校のスタッフによる投票、マーベラス賞は石動さんによる評価で決まります。

チーム・カナリーは、お菓子の世界を舞台にしたカーレースゲームを製作。これをプレイした学生たちは、「3Dのモデリングがかわいく、質が高い」「シンプルな操作性はこのゲームの強み」「世界観もしっかり作り込まれている」と次々に評価を口にしました。それぞれの学生がゲームを作ることだけでなく、遊ぶことも楽しめたようです。
(写真12)
最後に講評の時間です。緊張やワクワクが混じる中、発表が行われました。1位はシアンチーム『バンズはさ味のおかわりバーガーフェス』、2位にはカーマインチーム『無限蕎麦~倒れるまで食い続けろ~』が受賞。そしてマーベラス賞にはシアンチーム『バンズはさ味のおかわりバーガーフェス』が輝きました。入賞したチームの皆さん、おめでとうございます!



最後に、石動さんは次のようにコメントしました。
「今回のゲームジャムはデザイナーが多く、特に見た目のクオリティが高かったです。また、タスク割り分担がしっかりできていたことにも感心しました」
入賞したかどうかにかかわらず、参加した多くの学生が手応えを感じたり、改善点を見つけられたりと、有意義な時間を過ごせたように見えました。バンタンゲームアカデミーでは、今後も実践を通じての学びの場を提供していきます。学生の皆さん、これからも一緒に楽しみながら学びましょう!