留学生インタビュー#2|「チャンスは準備をしている人のもとに訪れる」
バンタンゲームアカデミーで学んだ留学生のインタビューをお届けします。今回お話をうかがうのは、専門部3年制キャラクターデザイナー専攻、2025年3月卒業・R.Cさん(28)。
―― バンタンゲームアカデミーに入学する前までの経歴を教えてください。
バンタンゲームアカデミーに入学したのは25歳のときです。
小さい頃から、日本のアニメが大好きでした。5歳から絵を描いたり、日本のゲームを遊んだりしていました。ですので、日本のアニメ・ゲームの影響を多く受けています。
大学のデザイン専攻を卒業したら、日本に留学して日本のゲーム会社に入りたいなと思っていました。大学では日本語塾に通い、日本語でのコミュニケーションもだんだんとわかるようになっていきました。留学を準備していましたが、コロナ禍になり2年間中国で待機していました。
―― 日本に来た理由を教えてください。
子どもの頃から日本のアニメ、ゲーム、文化が好きで、日本のゲーム会社で働きたいという強い気持ちがあったからです。
コロナ禍も、友だちの助けを得て、イラストとキャラクターを独学で勉強し、日本のモバイルゲーム開発会社の中国支社でインターンをしていました。経験を積むことが、作品の力になると思いました。
―― 「留学したい」と言ったときのご両親の反応は?
最初は、反対していました。経済的にも心配だったのだと思います。コロナ禍になり、2年間中国で過ごしていたときに、毎日留学の意思を伝えて作品を見せ、「日本に行かなければ、私の人生に意味がなくなってしまいます」と説得して、ようやく理解を得られました。
―― バンタンゲームアカデミーはどのように知りましたか。
インターネットです。「ゲーム 専門学校」で検索しました。日本の専門スクールで、いくつかの候補を考えていました。
―― 大学卒業後、バンタンゲームアカデミーに入学した理由を教えてください。
大学3年生の夏休み期間、友だちと一緒に旅行を兼ねて見学に来ました。在校生・卒業生のポートフォリオを見たときに「いいかも」と思いました。見学では、直接講師と話し合い面接も受けることができました。
ポートフォリオには、専門性が求められます。在校生・卒業生のポートフォリオは、レイアウトもセンスが良く、専門性が高かったです。入学したらこういう作品が作れるかな、と希望が持てました。
―― バンタンゲームアカデミーでは、何を学びましたか。
専門的なことも学びましたが、いちばん印象に残っているのは、2022年度バンタン入学式の、バンタンゲームアカデミー・井手尾講師の祝辞です。『学校は、自動的にプロになるまで運んでくれる電車ではなく自転車です。自発的に勉強し修練しないと、プロにはなれません』というメッセージを強く覚えています。良い環境とチャンスがあっても、自ら行動しないと成果は出ません。今でもこの言葉を覚えていて、自分に言い聞かせています。
―― 授業で印象に残っていることは?
ある授業で、お互いの作品を見て、作品のメリット、デメリットを意見する授業がありました。また、講師は責任感のある人ばかりです。メンバーの作品と真摯に向き合っています。
―― 在学中は、「SNSアーティスト養成ゼミ」(監修:SSS by Applibot 高木正文講師)にも所属されていたのですね。
そうです!作品審査と面接を経た6人のメンバーが所属していて、一人ひとりに課題が与えられ、SNSに2~3日に1回作品をアップします。メンバーのレベルが高く、すごい人ばかりで、「私も頑張らないと!」と思いました。
ゼミでは、SNSの発信方法を教えてもらいました。最初は見てくれる人も少ないけれど、フォロワーが少しずつ増えていきます。自分の絵に評価がもらえますし、みんなにオススメの方法です。
―― どのような点で成長を感じますか。
自主的に、練習するようになりました。授業以外でも、毎日3~4時間は描いて練習するようにしています。描いたことがないモチーフにもチャレンジするようになりました。また、日本に来てからはCLIP STUDIO PAINTも日本版にして授業を受けるようにしました。機能の名前なども理解しやすいです。
―― バンタンゲームアカデミーで授業があるときの1日の過ごし方は?
午前8時半に登校して授業を受けて、一度帰宅して昼寝して午前2時から3時くらいまで絵を描いていました。自宅も校舎から近く、一人暮らしをしていました。日本は「Alipay」が使える場所も多いですし、不自由を感じることはありません。
―― バンタンゲームアカデミーに入学して良かったことは?
講師が、公平に作品を見てくれます。国籍や経験の有無に関わらず、一人ひとりの成長に寄り添ってくれるのでとてもフェアな環境だと思います。また、クラスメイトも同じ業界を目指して頑張っている人が多く、刺激をもらいますし自由な雰囲気があります。スタッフさんも親身になってくれます。
―― 就職活動はどのように行いましたか?バンタンゲームアカデミーの就職サポートはいかがでしたか。
2年次に、インターンを探しました。スタッフさんに、履歴書の書き方を教えてもらい、修正を重ね、面接の練習も行いました。結果、大手企業でインターンをすることができました。
2年次の冬休みから授業を休み、面接練習を毎日しました。今振り返っても、就活は本当に大変でした。特に、二次面接や最終面接で落ちたときはショックが大きかったです。
―― ポートフォリオ制作について教えてください。
2回制作しました。まずはインターンシップを受けるとき。ただし、ポートフォリオ制作授業の前だったので、自己流で作りました。選考は通りましたが、改めて見ると、「作品もレイアウトもダサい!」と不満足でした。冬休み前から、先輩のポートフォリオを参考にしながら、講師に相談に乗ってもらいブラッシュアップしました。豊崎講師は、メールアドレスも教えてくれて休日も質問に答えてくれました。とても責任感があって、尊敬しています。
―― NHN PlayArt株式会社を志望された理由は?
マイナビで検索して知りました。『#コンパス 戦闘摂理解析システム』は名作ですし、『LINE:ディズニー ツムツム』『妖怪ウォッチ ぷにぷに』も開発していてすごいなと思いました。また、NHN PlayArtとバンタンゲームアカデミーが産学協同プロジェクトを実施するなど、繋がりがあることは知りませんでした。
NHN PlayArtは、チャレンジできる環境です。新人の私にも重要なモチーフをデザインさせてくれます。
―― 内定に至ったポイントはありますか?
毎日絵を描いて準備したことが、自信になったと思います。
―― 憧れの業界で実際に働かれてみて、楽しさ、大変さはどのようなときに感じますか?
仕事はチャレンジと責任を伴います。自分の能力を上げ続けないと不安になりますが、それが良いところでもあり、大変さでもあります。
今は、自分に「描いたことがないものを描き続ける」というミッションを課して頑張っています。優秀な先輩がいらっしゃるので、作品を見させていただき、先輩たちからフィードバックを得られています。
―― 最後に、留学を検討している人へのアドバイスをお願いします。
留学生の皆さんは、日本語を勉強してください!どんなに絵が上手くても、語学力が足りないと、リクエストされていることがわからなかったり、いろいろな場面ですれ違ったりしてしまうことがあります。コミュニケーションはとても大切です。
いま、毎日が新鮮で長年の頑張りが報われたなと感じています。夢を実現するためには諦めないことが大事。チャンスは常に準備をしている人のもとに訪れます!