東京校
こんにちは!ゲームアカデミー高等部です(^▽^)
今回のゲストは、世界で活躍するプロゲーミングチーム、DeToNator代表の江尻勝講師。
バンタンゲームアカデミー高等部では2019年4月に「e-Sports専攻」を開校!
プロゲーマーを目指している中学生に向けて、プロを目指す上での心構えを講演いただきました。
<esportsの現状のついて>
DeToNatorは日本ではなく、世界に拠点をおいています。
最近、様々なメディアでesportsという言葉を目にする機会が増えましたね。
日本でesportsのプロとしてお金を稼げるかと良く聞かれますが、
正直まだ市場が出来上がっていないというのが所感です。
であれば、世界で戦うというのがDeToNatorのスタンス。
賞金総額、プロリーグなどの仕組みが全然違うんですね。
<年齢は関係ない、時間をどう使うか>
小学生、中学生、高校生だろうがプロになるのに年齢は関係ありません。
当時オーバウォッチのチームを持っていたとき、一番若い所属選手が15歳でした。
いまPUBGも最年少で18歳の子がいます。アマチュアの大会でよい成績を残した子を
スカウトしてきました。皆さんも、プロも、生きている時間は同じですよね?
プロとして活動している人間は、現在この時間も練習してさらに上手くなろうとしています。
ということは自分の時間の使い方、目標に向かってもう始まっている意識を高くもって欲しいです。
僕が現在ターゲットにしているのも、小学生/中学生です。
その世代の子達がこれから世界に向かっていかないといけないと思っています。
<プロは自己表現の世界>
プロの世界は自己表現です。日本人は人前に出ると自分を表現できない人が多いんですが、
それでは通用しません。自分がなりたいのであれば、自分で表現するのがプロです。
人の目を気にするのではなく、自分の意思を貫くことが重要です。
他のスポーツでも一緒ですよね。人と同じではプロにはなりにくい。
人と違うこと考える、実行する。そしてそれを続けられるかです。
チームを組んでやるゲームでは選手同士のコミュニケーションが鍵になります。
何も意思表示しないとか、自分だけの考えだけで動くだけでは足りません。
それって、社会で生きていくためのスキルが必要ってことですよね。
自分の考えを伝えることを恐れてはいけません。時には意見をぶつけることも大事。
<学校は与えてくれる場所ではない>
皆さんは保護者から入学するお許しをいただいているんですよね。
すごく恵まれていると思ったほうが良いです!
学校でゲームをやることを許可してもらってること自体、僕の時代ではありえないですからね笑
でも、学校に入学できたからといって、気を緩めないでくださいね。
学校という環境に何かを求めるのではなく、皆さん自らが「学校を使ってやる!」
ぐらいの感覚でいてほしいんです。
何か与えてもらえる場所ではなくて、したいことをやらしてもらえる場所だと思って、
先生とぶつかったほうが良いです。
それって環境に文句をいうのを辞める、という運動にもなるんですね。
よく、「esportsのシーンが…」「チームが…」と不満をたれる人もいますが、
その環境がなぜ変わらないかは、まず自分自身に問いかけてほしい。
それを変えるために自分はどう努力すればよいかを考えてください。
<高校生活でやっておいたほうが良いこと>
韓国の選手を見ていて、日本人も参考にしたほうが良いことがたくさんあります。
彼らは言葉を覚えようとするんですね。日本語をどんどん覚えるんです。
能動的に学んで自分達の強みにしようとする意識が凄いんです。
当然、配信すると日本人ファンが増えますよね。プロはファンがついてなんぼの世界です。
バンタンに入って何を学ぶかですが、ゲームと、英語、韓国語、中国語とか
何かしら言語を覚えたほうが良いと思います。
いまのうちに外国語を覚えたら、すっごく強いですよ。
本当に世界にいきたいと思ったら、語学を学んだほうが良いです。
<はじめるのは今、この瞬間から>
まずはしっかり学校に通って、自分をコントロールすること。
それが出来ないといけません。
いまの生活をおろそかにしている人は、そこから変えたほうが良い。
ただ単に、だらだらゲームやっている実感があったら、まずそこから変えましょう。
自分のプレイを分析して、カリキュラムをつくって、保護者にもプレゼンしてとか、
出来ることはたくさんあります。その努力を続けていけるからこそ、次のステップがあります。
環境のせいにはしない。自分が何を変えられるか。
<失敗することを恐れるべきではない>
僕は自分の経験を押し付けることはしないです。
僕の成功体験はあくまでも僕の経験でしかないので、同じようにいくとは限らない。
まずは行動すること。努力して、たとえ失敗しても、次の経験値になりますよね。
頭だけで考えるのではなくて、今はいくらでも失敗できるので、とにかく自分で動いて失敗すること。
経験値は、自分で失敗しないと身につかない。
それを繰り返せば、知らないうちに強くなっています。
これが今日みなさんに一番伝えたいことです。
保護者様もその失敗を見守ってほしいなと思います。
恐れずにチャレンジしてくださいね!
■質疑応答コーナーではたくさんの質問が飛び交いました
(Q)選手の年収はどのくらいですか?
タイトルによって違います。世界を見ると賞金が億を越える大会もありますし、
日本なのか世界なのか、どのタイトルなのかによっても変わってきます。
(Q)選手の1日のスケジュールは?
韓国のPUBGリーグ選手たちですが、
12時-起床、14時からチームの練習3時間、1時間くらい休憩、
17時半くらいから2回目の練、19時半くらいから夜食をとって、
深夜23時半から1時間半くらい練習、
それからさらに個人練習して、就寝3時。起床12時。
これがDeToNatorのスケジュールです。
休憩時間はしっかり休んでもらいます。
また、DeToNatoは料理人も専属でついているので、栄養もしっかり取ってもらう。
健康面のケアも気を遣っています。
すごくハードですが…、韓国ではこれがあたりまえ。それでも勝てないとさらに練習します。
皆さん、そんな環境でも出来ますか…?
(Q)選手人生どれくらい?引退した後は
最年長はきっと僕です!35歳で優勝したことあるので笑
FPS系も戦略の経験値が大切になってくるので30歳前後までやる人もいます。
<最後に>
僕は基本的に自分のチ-ムの選手にも怒りません。何を尊重するかというとその子の自主性です。
あれこれお尻を叩かれてやっているうちは、まだアマチュアなんですね。
様々な角度から自ら考えて動ける人材になれるかどうか。
引退してストリーマーになった人間に、僕は1つしか言わないんです。
「これまでお世話になった人、家族、恋人、そういう人に恩返ししなさい。
そのために稼ぎなさい。そうしたら自分がもっと豊かになるから。」
それしか言わない。
ゲームを通じて人は育つし、ゲームをやってる!と胸を張ってよいと思います。
ただし、そうなるためには自分がしっかりした人格を持っていないと。皆さん次第です。
僕達も一生懸命環境をつくっていますが、すべてのシーンの主役であり、
この業界を活性化するのは皆さんです。自分達でかえていきませんか?
esportsでプロ選手を目指す生徒達にとって、参考になるお話ばかり!
厳しくも、優しい語り口で本当にためになる講義をいただきました!
江尻講師、ありがとうございました!